「人前で歌うのが恥ずかしい」

「カラオケのおもしろさがわからない」

と思ったことのある人もいるでしょう。

が、私からいわれてもらえば、そんなのは甘っちょろい。

私は本物の音痴なのだ。

 

芸能人が歌のうまさを競うテレビ番組をやっていることがある。

それを観ている母が、「あ、いま音ズレたね」などというんだけど、

私にはさっぱり理解できない。

「ズレたって何が?」

「音程ってどういうこと?」

表現のしようがないんだけど、ほんっと~~~~に音程というものが理解できないの!!

 

ということで、今回は「音痴の苦しみ」を書いてみよう。

音痴の私が経験してきたトラウマ体験談

音楽の授業での実技テスト

私の人生、歌に関する最大の恐怖は「音楽の合唱」である。

中学での音楽のテスト、私の学校ではこんな感じだった。

  1. ひとりでステージに立ち、クラスメートの目の前で歌う
  2. 音程を外すと、先生に「音程がちがいます」といわれ、最初からやりなおし
  3. 最後まで歌いきらないと終われない

なんて非情な学校教育だろう。

 

緊張するし、恥ずかしいし、情けないしで地獄のような時間だった。

いっときますけどね、私のようなガチ音痴は最後まで歌いきれないんですよ。

つまり、ず~~~っとやりなおしさせられるから授業の時間が終わってしまうのである。

だから「再試験」などという追加地獄へと落とされるのだ。

 

合唱コンクールでは、もちろん口パクである。

ちなみに、私が中学2年生のときはクラスで最優秀賞を取ることができた。

これは完全に私のおかげである。

私が口パクをしたおかげで最高の合唱を奏でることができたのだ。

クラスのみんなは私に感謝してほしいものである。

友達にカラオケに誘われたとき

私は音痴だっていう自覚があるので、事前に「明日カラオケ行こう?」といわれたら適当な理由をつけて断る。

しかし、なかには唐突にカラオケに連れて行かれることがあるのだ。

 

たとえば飲み会が終わるころ、

「この後、カラオケ行かねえ?」

 

たとえば街をブラブラしていて、

「あ、こんなとこにカラオケあったんだ。寄ってかない?」




ふざけんじゃねえぞ。

こういう不意打ちな誘いって、理由が思いつかないからなかなか断れない。

 

どうにかこうにか「ごめん、明日早いから今日は帰るね……」みたいなことをいうと、

「おいおい、ノリが悪いな~~~」




この流れ、もしかして俺は死ぬのか?

なんだかんだ逃げられなくなりカラオケに行くわけだけど、まるで処刑台に連行される囚人の気分である。

音痴あるある:「カラオケでは、存在感を消す」

私はカラオケに行っても極力歌わないようにする。

 

  • カラオケのデンモクをいじってるフリをする
  • メニュー表を熟読しているフリをする
  • 寝ているフリをする
  • トイレに行くフリをする

なんて涙ぐましい努力なんだろう。

特に曲の予約が途切れそうになって「だれか歌いなよ~」みたいな雰囲気になるとトイレに逃げ込むことが多い。

この情けなさ、キミに伝わっているだろうか?

音楽プレーヤーがほしいけど、お金がないからイヤホンだけ買って耳に装着してる人ぐらい情けない。

 

余談だが、私は初対面の人から「歌が上手そうだね」といわれることがある。

私はそれを即否定するのだけど、相手はなぜか盛り上がり、

「え~! 嘘だぁ~~! ねえみんな!? 松浦くんって歌上手そうだよね!?

などと事態が悪い方向へ突入することになる。

 

やめてくれ~~~~!! である。

キサマは私を殺す気なのか~~~? である。

 

その結果、「松浦は歌が上手いからカラオケに連れて行こう」みたいな空気になる。

私は処刑台に連行される囚人の気分になる。

音痴をバカにされるのならいい。周りが冷めた目をしてるのがいちばんつらい

よく「イケメンや美人は減点方式」だといわれる。

見た目の良い人は顔以外の能力(勉強、スポーツ、人格)も優れていると思われているため、第一印象は良い。

しかし付き合いが長くなるにつれ、悪いところばかりに目が行くというものである。

 

で、私の場合は音痴すぎて減点されまくる。

歌が上手いというからカラオケに連れて行ったらとんでもない音痴だった。
騙しやがって!!

このように、勝手にかんちがいしたうえ、私のことを詐欺師認定するのである。

 

笑われるとかなら、「じつは俺、音程っていうのがよくわかんないんだよね(笑)」などとおどけて見せればいい。

しかし、音痴というのはガチで引かれる。

「うるさい」
「気持ち悪い」
「こいつは宇宙人か?」

このように、あたかも危険人物であるかのように扱われるようになってしまい、取り返しがつかなくなる。

やめろ! 俺をそんな目で見るなっ!
哀れみの目で見るのはやめてくれ!!!!

音痴な芸能人を笑うテレビ番組でトラウマがよみがえる




これは聲の形という漫画のワンシーンである。

この漫画のヒロインは耳が聞こえない女の子。

上のシーンは、そんなヒロインが手話を使わずに口で想いを伝えるところなのだが、「好き」をうまく発音できず「うき」「ちゅき」といってしまっている。

 

ここだけ見れば爽やかなラブコメ漫画だと思うかもしれない。

しかしこの漫画、壮絶なイジメも書かれている。

耳が聞こえないゆえに音痴なヒロインはとにかくいじめられる。

音痴な私にとってトラウマがよみがえる恐ろしい漫画なのだ。

 

聲の形は創作だけど、テレビで歌が苦手な芸能人が見世物小屋みたいなことさせられてることあるじゃん。

あれもしんどいものがある。

テレビだと笑い声が入るから、「うわ~、俺もあんなふうに笑われてんのか」と落ち込みます。

 

音痴は空気が読めないらしい

こんな記事を見つけました。

生まれつきの音痴の人、音程も人の気持ちも分からない?―英研究

研究員によると、「音痴は、わずかな音程の差を見分けることができない。そのため、相手が語気によって伝える怒りや恐怖、皮肉などを聞き分けることができないため、コミュニケーションにも問題がある可能性がある」と指摘している。
しかし、歌を歌っている時に音を外す可能性は誰にでもあり、音痴を「病気」と呼んでいいのだろうか?
これに対する専門家の答えは、「生まれつき音痴の人は、確かに人の気持ちを察するのが不得意の可能性がある」だった。

https://www.recordchina.co.jp/b84294-s0-c30-d0051.html

どうやら私はサイコパスだったようだ。

↑なつかしい……。

いとこにwiiを借りて、このソフトで歌を練習してたことあったわ。