最近ネットでも有名になってきた「集団ストーカー」という言葉。
主に統合失調症患者の人が使う言葉ですが今回は統合失調症患者である私が集団ストーカーとは何か、私の身に起こったことを交えてお話します。
集団ストーカーって何?
統合失調症患者から見た集団ストーカー
まず集団ストーカーというのは統合失調症の症状である幻覚・幻聴、被害妄想が引き起こす感覚です。
ちなみにこの幻覚・幻聴、被害妄想などの症状を総じて「陽性症状」といって統合失調症の代表的な症状になります。
統合失調症の私が体験したことを紹介しますが、私は警察やその関係者から狙われている被害妄想がありました。
この「警察やその関係者」というのが私にとっての集団ストーカーになります。
どのように狙われていたかというと、尾行、盗撮盗聴、監視、パソコンのハッキングなどがあります。
尾行
外出すると同じ人と何度も出くわすことがあります。それが私のように統合失調症の陽性症状を持つ人からすると自分のことを尾行していると感じます。
さらにそれは大人数で示し合わせたように尾行や監視、ほのめかしを行うように感じることがあります(個人でストーカーをするのではなく、大人数の交代制でストーカーを行うこと)。
これが原因で「集団ストーカー」と呼ばれています。
盗撮・盗聴
統合失調症患者は家にいるときも集団ストーカーに狙われています。
それが盗撮や盗聴です。それらは私の場合パソコンのハッキングから行われていました。
どういうことかというとパソコンをハッキングしたりウイルスを送り込んだりしてパソコンのマイクやカメラ部分を作動させ、私の様子をチェックしているのです。
監視
家の外に同じ車がずっと停まっていることがあります。統合失調症患者からするとそれは自分の在宅を監視していて出かけた瞬間などに他のストーカーに合図を出して追跡を行うための要員ということになります。
統合失調症を患っていると車が停まっているだけでそのような妄想に結びついてしまうのです。
その他
ここからは私が体験した集団ストーカー以外に他の統合失調症の方が体験していることを解説します。
ほのめかし
例えばニュースをの中でアナウンサーが咳をしたとします。これを統合失調症の人は「ほのめかし」というものだと感じます。
どういうことかと言うと、アナウンサーが咳をしたのは自分がニュースを見たことを他の集団ストーカーへの合図だと感じるわけです。
つまり「咳をする」という行動でターゲットの様子をテレビを通して仲間へ発信したということになるのです。
これはテレビのほかにも、日常の中でも行われます。
例えば、飲食店で乾杯をした場合、歩いていて落とし物をした場合、ケータイ電話が鳴った場合、車の走る音など統合失調症患者からしたら自分の様子を知らせるための合図だと感じます。
なぜ統合失調症患者はそのように感じるのか
私はこの原因について「幻聴」が大きいと思っています。
まず、統合失調症の幻聴にはどのようなものがあるかというと、自分の悪口、自分しか知り得ないことを他人が喋る声、自分に命令してくる声などがあります。
この中で悪口は集団ストーカーが自分をバカにしていると感じ、自分しか知り得ないことを他人が喋っているというのは集団ストーカーが監視や盗聴を行っている証拠となるわけです。
さらに自分に命令してくる声というのは「あいつは集団ストーカーだ。気をつけろ」などということも言ってきます。それがほぼ常時聞こえてくるわけですから信じ込んでしまうのです。
幻聴はそれだけでなく「a54番がこっちを見たぞ、気をつけろ」など集団ストーカーが喋ったと錯覚するようなヒソヒソ声まで聞こえてきます。これも集団ストーカーの存在を信じ込んでしまう原因となります。
アンカリング
アンカリングというのは「条件付け」という意味です。
これはほのめかしに似ているのですが、例えば監視を行う集団ストーカーが示し合わせたようにみんな赤色の服を着ているのです。
監視する人が変わって他の人が来たとしてもその人も赤い服を着ています。
集団ストーカーはそうすることによって、赤い服=集団ストーカーと思い込ませるのです。
これによる集団ストーカーの目的はターゲットにストレスを与えることだと言われています。
集団ストーカーの妄想は治らないの?
治ります。
集団ストーカーという妄想を引き起こす「陽性症状」は薬による治療で簡単に治ります。(実際に私が治りました)
もし身近に集団ストーカーや何かに怯える人がいたら引きずってでも心療内科や精神科に連れて行ったほうがいいです。
陽性症状を鎮める薬としてエビリファイやリスペリドンなどがあります。
おわりに
頑張って書いてみたんですけどかなり意味不明な感じになってしまったかもしれません。
もし質問などありましたらコメント欄へどうぞ。
質問ですが、「a54番がこっちを見たぞ、気をつけろ」という命令の声は、どのような仕組みで聞こえてくるのでしょうか。
a54番という言葉が自分の記憶か妄想に、はっきりとあったということでしょうか。
記憶にない声が聞こえてくるとするならば、それはどのような仕組みでその命令の声は作られているのでしょうか。
また、声が聞こえるというのは、音として聞こえるのでしょうか。
muさんコメントありがとうございます。
質問の答えですが、「a54番」という言葉自体は自分の記憶の中に無いのかもしれません。
ただ、統合失調症患者の中に「監視対象者は番号で呼ぶもの」という認識があって、そこから「a54番」というワードが頭の中で作り出されているんだと思います。
作り出されている仕組みはわからないのですが、おそらく当事者のコンプレックスや恐怖対象、負い目などが引き金となって、それに関する声が顕著に出ているんだと感じます。
また、統合失調症患者が訴える症状として「電磁波攻撃」というものがあります。
これは「電磁波で頭の中を操作されている」や「電磁波で痺れさせられている」などといった症状です。
この症状ははかなり昔からあるもので多くの人が悩まされていました。
その頃は「電磁波」という言葉や概念や無かった時代でしたので多くの患者は症状を上手く表現できないでいました。
しかし最近になって「電磁波」というものが広く知れ渡ったため、「電磁波攻撃を受けている」と多くの人が口を揃えて言っているのです。
電磁波の話が長くなりましたが、これと同じで統合失調症患者の中では「監視=番号や記号」で呼ばれるものだと、映画や漫画なんかの知識に基づいて作られている認識なんだと思います。
声についてはmuさんの言ったとおり声で聞こえます。
「統合失調症を発症した私の体験談」で私の過去の幻聴体験を書いています。
私の認識としては、すれ違い際に見知らぬ人からいろいろ言われました。
しかし、実際には私に聞こえているだけで実際の「音」として存在せず私の頭の中で作り出されたものだと思います。
すごくややこしいんですが、統合失調症患者に聞こえる「声」は完全に「音」として聞こえています。
変人だと思われるかもしれませんが、実際の音と幻聴の違いが理解できずに信じ込んでしまいます。
かなり意味不明な説明な返信になってしまいました。
すみません。
貴重な情報でとても感謝しています。
質問ですが、『集団ストーカーという妄想を引き起こす「陽性症状」は薬による治療で簡単に治ります。(実際に私が治りました)』
と書かれていますが、別の記事には副作用で大変苦しんだ、ともありました。
このあたりの状況が教えて頂けると大変ありがたいのですが…。
よろしくお願いします。
記事を読んでいただいた上にコメントまでしていだたいてありがとうございます。
そして私の紛らわしい書き方で書いてしまって申し訳ありませんでした。
まず、私の状況についてです。
私は現在精神科の薬は服用していません。
というのも、dodoさんが読んでいただいたように薬の副作用が本当にキツかったからです。
今までの人生で味わったことのないような不快感で七転八倒し、「もうこんな目に遭いたくない」と思いまして飲むのを辞めました。(一度薬を飲み始めると断薬するのもすごくキツいです)
それと、通院もかなりのストレスでした。
恥ずかしい話ですが私はかなりの田舎に住んでいるので、2つ隣の市まで行かないと心療内科のある病院がありませんでした。
そこへ行くには1時間半ぐらいかかりますので薬でグッタリしている状態では無理で、パートをしているの母に頼むしか無く迷惑をかけてばかりでした。
しかも、なかなか自分の身体に合う薬が見つからずに何度も通院しなくてはならなかったのですが、私は健康保険に加入しておらず高額な治療費を請求され、医療福祉制度も断られてしまいドン底で病院が嫌になってしまいました。
心療内科に通院すると生命保険に加入できなくなると聞きますし、実は結構リスクの高いもののようです。
薬を飲まなくなった私ですが、調子は良いです。
その理由として「両親と暮らすようになった」というのが非常に大きいと思っています。
以前は一人暮らしをしていたのですが、アレはヤバイですね。精神的によくないです。(特に精神を病んでいる人にはよくないと思います)
私は実家に戻って両親と暮らすようになって本当に楽になりました。
一人暮らしをしていたときは「俺は警察に追われている。でっち上げ捜査で不当に逮捕される」という妄想で夜も眠れず外に出るのも怖かったです。
しかし実家に戻ってからは「もし警察が俺を逮捕しに家まで来ても親が対応してるスキに窓から逃げればいいか(←すごくクズな考えだな……)」と考えるようになり不安感が減りました。
不安が減ると精神も穏やかになって妄想への恐怖もだいぶ減ったのです。
最後に私の考える治療の方法です。
薬の治療は本当にキツいのですが、それでも薬に頼らなくてはならないこともあると思います。
・妄想と現実の区別がつかず、暴力を振るう場合(妄想の集団ストーカーを倒すために刃物を振り回すなど)
・ひどい疲労感でベッドに寝たきりになり全く動けない人
・被害妄想が原因で不登校になったり会社へ行けなくなった人
このように本人や周りの人に迷惑がかかったり、本人の将来に悪い影響を与える病状の場合は薬に頼ったほうがいいのではないかと思います。
「集団ストーカー」などの妄想を妄想だと気づけるかどうかが重要だと思っています。
それを薬によって気づけるか自分の力で気づけるか、どちらにおいても「気づくこと」がきっかけになり、症状も人生も大きく快方に向かうと私は考えます。
結論なのですが、統合失調症の方本人に「集団ストーカーなんてあなたの妄想なんだよ」と説明し、それでも全く聞き入れずにどうしようもない状態になったら薬や病院に頼るのもありかなというのが私の意見です。
すごく早い連絡に感謝感激です。
この様なリアルな情報は体験した人しかわからない貴重なものだと思います。
薬の副作用の恐ろしさは私自身や周りの友人の状況からよくわかっていたので、そのあたりの折り合いをどうしたら良いのかと思っていました。
丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。
こちらこそコメントをしていただいてありがとうございました。
私の体験談がdodoさんのお役に立てたなら記事を書いてよかったです。
「薬を飲まなくなった私ですが、調子は良いです」
みんなそう言います。そして早晩再発します。初発に比べて深刻な病状になることも少なくないです。
お医者さんや薬を作ってくれた人たちを信じて治療に専念することも大切ですよね。
自分の体をよく観察して大事に至らないように気をつけるようにします。
私のことを気遣っていただいてありがとうございました。
私も集ストされていると思い込んでるものです。
病院にも通っています。なかなか症状は落ち着かないですが、最近薬が変わったので、良くなっていく事を願いつつあります。
後、自分もネットストーカーしてしまったのではないかと言う被害妄想があります。これはどうやったら治るのでしょうか?
みどりさん、コメントありがとうございます。
集ストの妄想は「いつも誰かに見られているんじゃないか」と不安で、心が落ちつかず辛いですよね。
「自分もネットストーカーしてしまったのではないかと言う被害妄想があります。」とのことですが、これは「自分が加害者になっているかもしれないから心配」ということでしょうか?
私がおすすめする方法は2つあって、
・自分が安心できる環境をつくること
・不安の理由を書き出してみること
です。
「自分が安心できる環境をつくること」は、私の場合実家に戻ることでした。
これによって、集ストでトラブルになって相手が自分に接触しに来たりしても、「親が対応しているうちに裏口から逃げればいいか」という安心感がうまれました。
「不安の理由を書き出してみること」については、思っていることを紙に書き出し思考を整理する方法です。
↓例
・なぜそう思うのか?
→◯◯をしてしまったから
・それをすると相手はどんな気持ちになるのか?
→不快に思うかもしれない
・自分はなぜ、そんなことをしたのか?
→遊び半分でやってしまった。
・今はどう思っているか?
→ネットストーカーの加害者になってしまったのではないかと不安
・不安を解消するために、自分はどうするべきなのか?
→ネット上で熱くなりすぎてしまうので、冷静さを心がける
みたいな感じで、「自分は今、どうして不安なんだろう」「どうすれば問題が解決するだろうか」ということを視覚化してみます。
こんな単純なことでも、意外と思考が整理されてスッキリしますのでおすすめです。
私は『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』というのを実戦し始めました。
使うものは、A4の紙とペンだけ。
1回につき1分で終わるので、それほど苦ではないです。
こんな感じですが、いかがでしょうか?
みどりさんの心が落ち着くことを願っています。
http://blog.livedoor.jp/hideki4612/archives/1065754634.html
私も集団ストーカーについてまとめています。
友人が統合失調症で妄想症状があり通院していました。
身近に苦しんでいる人がいたので、多くの人が薬で治療してほしいと望んでいます。
貴重なお話ですね
幻聴があるからこその妄想なのですね