「おもしろい作品を作りたいです」という人に向かって、

「つまらない人生を送ってるヤツがおもしろい作品を作れるわけない、もっと遊べ」
「おもしろい作品を作るには、まず自分がおもしろくなる必要がある」

みたいなアドバイスをする人がいる。

すっげー頭悪そうな答えだよな。

 

そもそも「おもしろい人間」ってなんだよ。

こいつらって具体的なアドバイスをできないくせに、「それっぽいこと」をドヤ顔でいうんだよな。

どいつもこいつも口を揃えて「おもしろい人間になれ」。

他人と同じセリフをしゃべってる貴様は最高につまらん人間だな。

 

……ということを以前から思っていた。

バカどもに代わり、私が説明してやろう。

おもしろい人とは「変態的な思考回路を持つ人」のことだ。

変態的とは、偏見・個性的・独特な考えとも表現できる。

今回はおもしろい人になる方法を紹介しよう。

おもしろい人とは、自分の偏見を論理的に話すことのできる人のこと

個性が欲しいという人には、「決断の量を増やせ」といいたい。

 

決断をする前には、思考する段階が必ずあるからである。

「自分は、何を最優先にしてこの選択をするのか?」
「過去の実体験から考えて、ここはどうするべきなのか?」

ここにこそ、自分の偏見や個性が凝縮されている。

ちょっと想像しにくい人もいるかもしれないので、思考しまくった結果変態化したわかりやすい人を紹介しよう。

 

たとえば、「俺か、俺以外か」を提唱するローランドさん

「筋トレこそ最強の問題解決である」を提唱するTestosteroneさん

このふたりを見れば、だいたいわかるだろ。

「変態」とは、偏見・偏愛・独特の考えを持つ人のことである。

 

「自分は至高の存在」とか「筋トレですべてがうまくいく」とか、トンデモ理論を全力で提唱している人が増えている。

このように「ロジカルな怪文書」を生み出す人間こそおもしろい。
 
私が今までに見た、もっともロジカルな怪文書はこちらだ。

【ベースの音は子宮に響く。だからベースやってる奴はモテる】

本当、経験的にも、学術的にもそれは明らかです
ベースに限らず、車の低いエンジン音なども響くといいます
低音は何でもかんでも共振させやすい特性を持ちます
男だろうが女だろうが、低音で体は揺れます
女性の場合、特に共振しやすい骨盤付近に子宮があるため
子宮に振動が伝わりやすい、という理屈は通ります

最高に頭おかしい理論である。

だが、最高におもしろい。

魅力的で思わず引き込まれる話というのは、必ずロジカルである。

 

たとえばこんなの

  • 陰謀論
    例:「インフルエンザや新型ウィルスは、政府がワクチン売って金儲けするために自ら作り出している」
  • 都市伝説
    例:「じつは私たちはゲームの中にいて、プレイヤーに操作されている」

こういうのって荒唐無稽なんだけど、妙に理屈が通っている。

だから「もしかして」と思わせる。ゾクゾク来るのである。

これこそ人を惹きつける物語の作り方である。

変態思考回路の作り方

「おもしろい人になりたい」という人は、「変態になれ」ということを説明した。

ネットで人気の「おもしろい人」は、みな変態である。

上で紹介したふたりも変態的な持論を持っている。

 

注目してほしいのは、ふたりはツイートをするとき断言していることだ。

これは至高→決断→行動をくりかえしてきたから迷いなく断言することができるのである。

つまり、揺るぎない自分軸が確立されている。

重要なのは、思考をすると変態性が煮詰まってくる点である。

思考し続けると、自分の中の変態性が磨かれる

私の場合、「浮世離れした生き方こそ美しい」という偏見がある。

こう思ったきっかけというのは、『サウスバウンド』という小説を読んだときだと思う。

この小説を簡単に説明するとこんな感じ。

  1. 自分の父親が政治家を殺そうとしたとして捕まる(←この時点ですでに強烈)
  2. 事件を起こして家を追い出されたので、家族で沖縄に移住する
  3. 空き家を見つけて、勝手に住み着く
  4. 近所の人に家具や食べ物を分けてもらいながら生活する
  5. 重機に乗って警察に突撃、またもや国家に攻撃をしかける

 

私には、沖縄で移住する生活がとても魅力的に見えた。

ボロボロの家を治して、畑を耕して、近所の人に釣った魚をわけてもらって……。

なんてすばらしい生活なんだろう。

それに比べて自分は「おもしろいブログを書いて人気者になりたい」とか「お金がほしい」とか、なんと世俗にまみれた価値観なんだ。

恥ずかしい……。

 

普通ならここで「よし、これからは世俗的な生活を改めよう」となる。

しかし私はそうならない。

他人に厳しく自分に甘い。

そんなクズなのが私・松浦圭一である。

 

よってこうなる。

「金とか名声とか、世俗的なものを求めるヤツは全員ゴミ」
「欲を捨てられる人間こそ美しい」

こういう偏見が生まれると、やたら過激なブログを書くようになった。

いちど変態的な思考回路を作ると、こういうワケわからん理屈が溢れ出てくる。

「日本から出たことないヤツはつまらない。海外へ行って自分を変えろ」の意味

よく「環境を変えることが自分を成長させる最短ルートだ」という人がいる。

これも抽象的な説明しかできないバカが主張しがちである。

こういうバカがいるから、海外旅行から帰ってきた途端、日本の悪口を言い始めるアホが大量発生するのだ。

 

バカに代わって説明すると、真意はこうだ。

「環境を変えることで、強制的に決断の質と量を増やせ」

要は、決断を保留できない状況に自分を置けということだ。

  • 日本と海外では環境や常識が異なる
  • そのため、あやふやな考えで行動したら大問題に発展するかもしれない
  • じっくり思考するようになるから、変態的な思考回路が形成される

これが「海外へ行ったことないヤツはつまんない」の真相なのだ。

だから海外へ行かないとおもしろくなれないわけではない。

大事なのは決断から逃げないこと。

そして決断するために思考することである。

この決断こそ、煮詰まれば変態的な思考回路の形成につながる。

決断する、勇気を出す、集団から抜け出す

決断をするのは、とても勇気のいることである。

「夢を追いかけるために会社を辞めようか……」
「周りの意見に反対だけど、声を上げるべきか……」

人生における決断の瞬間というのは本当に怖い。

 

「シェイクスピアは『人生は選択の連続である』という名言を残した」……というのは嘘らしい。

だが、この言葉はまちがいではない。

おもしろい人になりたければ決断することから逃げてはいけないのだ。

 

やわらかい頭の作り方』という本にこんな話があった。

普通、成功と失敗は真逆にあると思われている。
成功と失敗の位置関係
でも著者によれば、これはちがうらしい。

それを証明するため、成功でも失敗でもない中間には「何もしない」を置く。
成功と失敗の間には「何もしない」がある
で、真ん中の線で折り曲げてみるとこのようになる。
成功と失敗は紙一重

成功の反対にあるのは、「何もしない」である。

さらに「成功」と「失敗」は、ほとんど同じ位置にある。

これがどういうことかわかるか?

どれほどおかしな理論であっても、どれだけ盛大に失敗したとしても、それは成功とは紙一重なのだ。

失敗は糧になるし、教訓になる。

大事なのは決断から逃げないこと、保留しないことだ。

それがわかれば、あなたもおもしろくなれる。

 

↓「成功の反対は何もしないこと」について書いてあった本

松浦圭一おすすめの小説

怪文書その①『俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

怪文書その②『筋トレが最強のソリューションである