前々から思っていたのだが、
ジャニーズのおもしろさ、あれは一体どういうことなんだ?
番組に呼ばれればバラエティタレントを差し置いて場を盛り上げているし、
「鉄腕ダッシュ」や「VS嵐」など、自分らの番組まで大成功させている。
こいつらはなんでもできちゃう完璧人間か?
などと考えるのは素人の発想だ。
美しい顔だけだったら「持って生まれた才能」だといえるがジャニーズの魅力はそこではない。
彼らのすごいところ才能に甘んじたりせず努力し続けるところにある。
- 歌唱力
- ダンスやライブをやり切る体力づくり
- 俳優としての演技力
などを鍛えつつ、さらにはユーモアまで磨いている。
このあたりの背景を理解せず、「ジャニーズ? 顔だけでキャーキャーいわれてる奴らだろ?」などとアホ抜かすバカには、
「おまえは幼少のころから努力し続けているものあるんか? あん?」と、首襟をガンガン揺さぶって問いただしてやりたくなる。
海外ドラマの『Dr.HOUSE』に次のようなエピソードがあった。
このドラマは、天才変人医師の主人公がさまざまなトラブルを解決していく話である。
私が紹介したいのは、主人公が有能な仲間を集めて精鋭チームを作ったときのこと。
彼が選んだチームの中には、まだ学校を卒業したばかりの若い女医がおり、明らかに浮いていた。
困惑する女医は、主人公にこう尋ねる。
女医「なぜ私をチームの一員に選んだのですか?」
主人公「君が若くて美しいからだ」
女医「はあ!? そんな理由でチームを作るなんてアンタ頭おかしいんじゃないの!? 私は抜けるわ!」
主人公「君は美しい、だがそれ以上に努力家だ。
君のような美しさがあればラクにお金を稼ぐことができただろう。
たとえば、モデルになって金持ちと結婚すればいい。
でも君はそれをしなかった。
ラクな道に逃げず、医学部というもっとも困難な道に挑戦し、みごと医師となった。
そんな誠実な君を、私は信用している」
これジャニーズにもいえることじゃん!
ジャニーズって顔がかっこいいのからチャラチャラしていると思いきや、じつはストイックな生活なのだ。
ダンスや歌の練習を小さいころからずーっとやっている。
ゲームとかテレビとかの娯楽もあっただろうに、それでもがんばってきたから今があるのである。
それでいて話もおもしろいって、こいつらどこまで努力してるんだ?
歌の売上ではほかのアーティストをブチ抜き、演技では主役に抜擢され賞も獲得。
さらにはバラエティ番組まで成功させる。
これを成すまでに彼らはどれほどの努力したのだろう?
ここで疑問なのは、彼らがどうやってトークスキルを磨いているかである。
私は長い間、「ジャニーズの訓練施設にはお笑いを学ぶレッスンがあるのだろう」と考えていた。
そしてその講座をぜひとも一般にも公開してくれと熱望していた。
「俺もジャニーズみたいにおもしろくなりてーーー!!」と思っていたから、この講座の存在が本当にうらやましかった。
で、ここまでがついこのあいだまでの話。
私はジャニーズのおもしろさの理由をついに発見したのである。
ジャニーズのトークがおもしろいのは、リズム感が鍛えられているからだった
『日経おとなのOFF 2019年 2 月号』を読んだところ、コメディアンの萩本欽一さんのインタビューが載っていた。
萩本さんによれば、お笑いに大切なのは以下の要素らしい。
- 笑ってもらう上で大切なのは「間合い」
言葉と言葉の間に置くちょっとした無言の時間や、動きや表情を変えるときのリズム感が大事 - 自分は新人のころ、魔の悪さを直すために踊り子さんと一緒にダンスの特訓を受けた
さらにドラムの練習をしてリズム感をつけたら、芸人としての能力が一気に伸びた
さらにインタビューはこう続く。
ジャニーズのタレントさんたちってみんな、お笑いもできるし、話が面白いよね。
あれは、踊りの修業をしているからだと思う。
これ読んで頭をガツーンと殴られたような思いがしました。
そういうことだったのか!!!
さらに私の頭にもう一発、ガツーンという衝撃が来た。
忘れていたが、私は尋常ではない音痴だった。
(『音程というものを理解できない』本当の音痴のつらさを知っているか?)
俺、ジャニーズみたいになれねえじゃん!!
いやいや、諦めるのはまだ早い。
え? プライドを捨てればおもしろくなれるってマジですか?
自分の失敗も笑いに変えちゃえばおもしろくなれる
さきほど『日経おとなのOFF 2019年 2 月号』に「リズム感が大切」と書いてあると紹介した。
じつはリズム感より大切なものがあるらしく、それは「失敗すること」だという。
自分の殻を破って、何かに挑戦してごらんよ、ってこと。
100%失敗するから!
そしたらみんなが笑ってくれるし、自分も笑えるよ。・・・・
だから失敗することをみっともないなんて思わないで、どんどん失敗すればいい。
いろんなことに挑戦して、周りにぼろぼろ失敗を見せていく人はたいてい人気者だよ。出典:『日経おとなのOFF 2019年 2 月号』
道化を演じて出世したといえば「Kis-My-Ft2」
こいつらは、よく今まで心が折れずに続けられたなと思う。
「キスマイBUSAIKU!?」という番組をやらされたり、「舞祭組」というグループに入れられたり、彼らのアイドル活動は散々である。
検索エンジンに「Kis-My-Ft2 ブサイク」と入力すると多くのページが出てきてしまったことを発端に、Kis-My-Ft2(キスマイ)のメンバー7人が「ブサイク」と呼ばれないようにするため、特定のシチュエーションでの対応や相手へのプレゼントなどのセンスを、ランキング形式で競いながらカッコよくなるための番組。
これ本当に勇気出いったと思うよ。
グループとしてデビューしたのに、ブサイクだのなんだのとネタにされて落ち込んだだろう。
実際、ライブのときに「もともとかっこいいものがやりたくて一生懸命やってきたから(舞祭組の活動は)苦痛だった」といってたから、相当葛藤しただろう。
でも、この路線をがんばったおかげで相当ファン増えたと思う。
私の母なんて、私が一人暮らしをしていたころに「今日はキスマイBUSAIKUブサイクの日だからね!(ちゃんと観ろ!)」というメールを送って布教してくるぐらいにあの番組にハマっていた。
私も彼らを見習って、人一倍失敗してみよう。