最近のGoogle検索、ひどくないですか?
調べものをしても、上のほうに出てくるサイトは役に立たない。
- 当たり障りのない薄い内容
- ほかのサイトをコピペしただけのページ
- 「いかがでしたでしょうか?」(←死ね)
このザマである。
おもわず「オーケーグーグル、この検索結果処分して?」なんてことをいいたくなる。
私が見たいのは、個人がやってるブログやサイトです。
デザインがダサくても、綺麗な画像がなくてもいいから、気持ちのこもったサイトが見たい。
個人ブログ・個人サイトの「管理人が楽しんでやってる感」にものすごく惹かれる
たとえば、このサイトを見てほしい↓
ひらすら「ゴム製の水枕」を紹介していくサイトである。
(「水枕」とはこれのこと)
正直、「え? 水枕?(笑)」って感じなんだけど、このサイトをよく見てみると考えが変わる。
『氷が水の中で「チャポン、コロン」と踊ります。氷が融けるときは「ぴしん、ぴしん」と水琴のように氷が鳴きます。』
なんだこの悪魔のセールコピーは!!
水枕がほしくてたまらなくなってきたじゃないか!
そして熱量がすごい。
さまざまな水枕を紹介していて、さまざまな医療機関に資料を提供してもらうほどの熱の入りようである。
こんなの現代の検索上位サイトでは絶対に見ることのできない光景だ。
しかも台湾や韓国の製品まで取り寄せているのがすごい。
「イタリア」を「イタリヤ」と表記してるとこに時代が現れていて、また良い。
今ネット上に溢れているブログは、金儲けのことしか考えてない
次に見てほしいのはこれ↓
戦国時代以前から慶長20年(1615年)まで、勢力の動きを事細かに調べ上げて地図化しています。
上の画像にいろんな年代の地図がちいさく載ってるけど、これ、画像を開いたらもっとすごい。
細かい字でビッチリ説明が書いてある。
これを作った人は、完全に趣味でやってます。
本人には1円も入ってきません。
どれほどの情熱、さらには「好き!」という気持ちがあればここまでのものが作れるんだろう。
私には、この人みたいに熱中できるものがないからすごくうらやましく感じる。
個人サイトやってる人って、みんな「好き」の気持ちが強いんだよね。
ほんと人生楽しんでる。
これとか心から楽しんでやってるのが伝わってくる。
実際「ああおもしれ〜。ホントにおもしれ〜。なんて面白さだこんちくしょう!」って書いてあるし(笑)
管理人とユーザーの交流にほっこり
この前、ネットで古本を買ったら、表紙の裏に封筒が入っていました。
すのうまん博士様
こんにちは。
すっかり寒くなってきましたね。お互い身体に年季が入って大変ですが、風邪をひかぬよう気をつけましょう。
この前書店をブラブラしていると、博士が好きそうな本を見つけました。
分野外とはいえ、博士の幅広い知識があれば楽しめるのではないかと思います。
冬越えの間、よかったら読んでみてください。
ではまた。
最初は「おいおい、もらった本を売ってんじゃねえよ」とか思ってました。
でもよく見ると「すのうまん博士」とか「ビリビリマン」とか意味不明な名前があり、「もしかして?」と思い検索してみました。
やっぱりあった、個人サイト。
で、この「すのうまん博士」というのがとんでもないマニアックなサイトを運営しているんだ。
私にはよくわからないんだけど、割れたガラスの破片を収集していたり古い看板の写真を撮ったりしているマニアっぽい。
そんなマニアックな内容なのに、サイト内の掲示板は大盛り上がり。
過去にやったオフ会の写真までアップされていた。
ビックリしたのが日本人だけじゃなく、外国人までオフ会に参加している点です。
服装なんかも、みんなシャツをズボンにインしていて時代を感じる。
「シャツイン」なんて聞くとオタクっぽい?
いやいやちがうんだよ。
昔のインターネットって、頭の良い人しかできなかったからみんな育ちが良さそうな見た目をしている。
みんな爽やかな顔してニッコリ写ってる。
うぅ〜〜〜萌える〜〜〜〜〜!!
みんな楽しそうだ〜〜〜〜〜〜〜!!
私はこういうのがうらやましくてたまらない。
同じ「好きなもの」を持つ仲間で集まってオフ会するなんて、どんなに楽しいだろう。
さっきの手紙も、本名や住所を普通に公開してプレゼントのやりとりだってしてる。
今のネットリテラシーじゃ、こんなことできないよ。
「ああ……自分もこの時代に生まれていたらどれほど楽しかっただろう」
そう思わずにはいられないのです。
geocitiesの思い出
geocitiesといったら、個人ホームページ!
たとえばこんなの↓
もうこの画面見るだけですごいっしょ。
- アクセスカウンター
- キリ番・踏み逃げ厳禁
- イラストコーナー
- (工事中)
- カキコ
- 掲示板(BBS)
- リンク集
- 「Japanese only」
懐かしくて泣けてくるね。
これ画像じゃ伝わんないけど、実際には文字がピカピカ点滅してたり文字が右から左に流れてたりしてる。
昔はTwitterとかなかったから、個人でこういうのを作ってたんだよ。
過去のサイトが消えるのは社会的損失
このサイトもすごいんだよ。
「十手」や「手裏剣」なんかの道具を自作・販売している人のサイトです。
英語でも説明書きがあったから、もしかしたら海外からも忍者グッズの注文があったのかもしれません。
でもこういう貴重なサイトがどんどん失われてる。
何でこんなこと書いてあるかといえば、ここで紹介してきたサイトは全部消されてしまったからです。
ネットの移り変わりを知る貴重な資料として、これらは保存されるべきではなかったのか?
昨日(2019年3月31日)、geocitiesで運営されているサイトはYahoo!によってすべて削除されました。
愛と情熱と思い出が詰まってるサイトがもうなくなってしまった。
でもさ、やろうと思えば消されずに済んだんだよな。
私はブログをやるためにレンタルサーバー借りてるけど、1ヶ月に約1000円しかかからない。
1000円払うだけで容量200GBも使えるからな。
そんな安いんだから、国がサーバー代ぐらい払えよ。
ネット黎明期の作品だって立派な歴史的建造物だろ。
そうやってネットを軽視してるから、日本からGoogleやAmazonが生まれないんだよな。
私はgeocitiesが消されることに昨日気づいたので、丸一日使ってサイトを保存しまくりました。
それでも全然ダメだった。
たとえば、これとか絶対に消えちゃいけない資料じゃん。
原爆で被爆した人・284人が、どんな想いで当時のつらい気持ちや出来事を語っただろう。
使命感ほかならないだろ。
「凄惨な事件をくりかえしてはいけない」とか「自分たちのような想いをしてほしいくないから」とか、そんな気持ちをなぜ理解しないのか。
勇気と涙の結晶を消すんじゃねえよ。
このサイトは漫画の歴史を研究していました。
画像見ればわかるけど、戦時中の資料まであるんだよ。
しかもこのサイトはずーーーーっと続いてて、戦時中から2019年までずっと漫画の歴史が書かれてる。
なのにもう見れませんからね。
国は漫画やアニメでクールジャパンとかやってるが、どうせお金のことしか見えてないんだろう。
だから新しいのを量産して、過去の作品はどうでもいい。
漫画『ブラック・ジャック』で、ブラックジャックが大切な島をめちゃくちゃにされたとき、
「死ね! この空と海と大自然の美しさのわからんやつは生きる価値などない!!」
ってブチ切れてたけど、その気持ちわかるわ。
「死ね! この愛と情熱と時代の移り変わりの美しさのわからんやつはクールジャパンを名乗る資格などない!!」
インターネット上のコンテンツの寿命は3年。12年経つと9割が消える
日本のいろんな大学がウェブページの寿命について論文を出しています。
本調査では,収集から12年を経過したウェブページ群の生存分析と,Internet Archive を用いた寿命の調査を行った。
その結果,2001 年に収集されたウェブページの 9 割以上が消失していることがわかり,またウェブページの平均寿命は,1,108.2 日であった。
あなたの大好きなサイトも、いつか消えてしまうかもしれません。
だってgeocitiesも、当時はものすごい人気だったんだよ。
それでも20年経ったら全部消えちゃう。
Twitterとかインスタグラムとかブログとか、今は大人気だけどいつ消えるかわかんない。
だから大事なものは絶対に保存しておいてください。
ネットのコンテンツはデータが消えたら二度と手に入らないから、人間の命を同じ。
大好きな人に会えなくなったら本当に悲しいよ。
昨日の日付が変わった瞬間、私はとてつもない喪失感を味わったから自信を持って言える。
「運営を信じるな。自分で保存しとけ」
追記
おすすめの個人ブログとかあれば教えてください!
http://abehiroshi.la.coocan.jp/
↑コレは鉄板かもしれないけど。阿部寛さんのホームページ。
古めのサイトといえば、阿部さんがいましたね(笑)
読み込みが一瞬で、情報の配置がシンプル。
何より、サイト名の「阿部 寛のホームページ」がいい。
水枕博物館を取り上げて頂きありがとうございます。復活させたく思っています!
え!? ご本人さんですか!?
こちらこそコメントありがとうございます!
ぜひ復活お願いします。
最近の薄っぺらいこと書いてるサイトに鉄槌を!
ブログ作者様の骨太の記事に拍手
ネットへの愛を感じました。そして私もそれに共感いたしました。
うお〜〜〜! なかきよさん、拍手ありがとうございます。
最近は金目当てで目をギラつかせたサイト運営者・YouTuberばかりですけど、昔のネットユーザーってほんと楽しそうでうらやましく感じます。
https://www.aiseikai.or.jp/
↑愛成会病院のホームページ。現在はごくありふれたホームページです。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/31/news130.html
↑往年の愛成会病院のホームページを伝えるねとらぼの記事。
ウェブアーカイブで有名なWayback Machine(https://archive.org/web/)を使えば、過去の記事が見られることもあります。
あ! この病院の噂は聞いたことがあります!
シンプル好きのスティーブ・ジョブズが見たら発狂しそうなデザイン、これ日本の宝だろ。
はじめまして。とある趣味の検索を
するためネットの海を漂っていた
ところこちらのブログに辿り着きました。
自分がwebブラウザを使い沢山検索を
するようになったのは10’年以降なので、
00年代初期のwebページやサイトを
見ると、知らない誰が昔使っていた
秘密基地を見つけたような気持ちに
なって、ノスタルジックな気分に
なるんですよね…。最近はみつけた
きせきというワードが着いたサイト
巡りにハマっています。
長文失礼いたしました。
わかるぅぅぅ!!
すっごい的確な表現です!
サイトのデザインがめちゃくちゃでも、昭和レトロみたいでワクワクします。
ファッション雑誌にある、「あなたのカバンの中身を見せてください」みたなコーナー大好きなんですけど、それに似てるかも。
だれかの大好きなものって、こちらから見ても楽しさが伝わってきて楽しくなります。
「好き」によって集められたものは、古くなっても輝くんだわ。
度を越して目につく色というのは、、
逆に警告色=警戒色といって、黄色と
黒の縞のハチのように、オレに近づく
と刺すゾ、蛍光色の正に毒々しい、毒
キノコゃカビのように食うと死ぬゾ!
だから食うな!
と、保護色の正反対の意味合いを持ち
それをふまえて、、、
なんで楽天的というか・・・ドンキ的
ウェブデザインになるんだろうか;?
しかし
楽天は逆にアマゾンとは逆のデザイン
の方が売り上げがイイ、データをもって
判ってやってる。
それを、求めている人がいるから。
自分は楽天が大嫌いでアマゾンでしか
買物しませんが;
初めまして。
この記事に感動しました。
今は動画やnoteが主流になってきて寂しいですね。
気づけばビジネスが絡まないものの方が珍しくなってきて
読んでる側もその魂胆が透けて見えると興醒めするときがあります
仕方ないとはいえ・・
特に目的意識も貢献意欲もどうでもよく、ただ好きだからというだけで
仕上がっていく個人サイトはやっぱり面白いです。
他人が見ることを考慮してない見づらさ、謎のデザイン、
なんかタフささえ感じるんですよね。
たまに検索で昔の見ずらいデザインのブログに出会うとそれだけでうれしくなります。
昔のモノ、昔の人って愛情がつまってるような、素直さがあふれているような、自分には持ってないものを感じます。
「自分もこの時代に生まれ、この時代にネットやってたらな〜」と心からうらやましい〜〜!!
初めまして。
特に当てもなくネットサーフィンをしていたところにこのサイトに流れ着きました。
この記事にひどく感動したと同時に、一つのサイトに心当たりがあり、共有させて頂きます。
このサイトは、二次大戦前から終わりにかけて盛んに行われたにも関わらず、殆ど記録に残っていない「献納機」についての記録を淡々と調査、報告しているものです。(2020/5/29現在でも閲覧可能です)
私がネット検索等を本格的にするようになったのは10’年以降のことなので、当時のgeocitiesの熱気や良さは、残念ながら私はよく知りません。
ですがこのブログ記事を拝見し、当時の方々のネットに対する熱気や想いを垣間見ることができた気がします。(私の地元は長崎なので、ネット草創期の歴史的価値への言及には目頭が熱くなりました)
素晴らしい記事をありがとうございました
長文・乱文で本当に申し訳ありません。
失礼いたします。
http://www.ne.jp/asahi/aikokuki/aikokuki-top/Aikokuki_Top.html
↑
すみません。これがサイトのURLです
インターネット黎明期の貴重な個人ホームページの多くが消滅してしまい、あの頃を振り返るのは貴方様のような画像を保存されて公開してくださる方々のお陰で御座います。
当時の各分野で事細かくまとめられた内容の濃さは現在のネットには無い、まさにこれぞインターネットという情報量でした。
はじめまして。
前世紀から個人ホームページ(複数)運営しています(数年前まで長期更新中断してましたが)
先日、内容や見た目は昔そのままに、主要ページは全てHTML5で書き直し完了したところです。
上のリンクから全てのサイトへ行けます。
良かったら見てやって下さい。
(一応、黎明期にはちょっと知られてたらしいです・・・)
すみません、コメント欄にもURL載せなければダメだったみたいで・・・
https://www.cool-m.com/
(実質Enterページになってます)
1997年から運営ですか!?
私はHTML全然わかんないので、Opalさんの知識量に圧倒されます。
あとBBSも見ました。
昔の個人サイトの交流が強烈に残っていて萌えます。
もうネット社会はこのころに戻れないと思うと、生きてるのが虚しくなりますよ。
はじめまして!「個人サイト」を検索していてこちらの記事に辿り着きました。
2000年初頭、個人サイト全盛の頃は本当に熱量が凄くて
行きつけのホームページで毎晩のようにチャットや掲示板に書き込んだり
交流が盛んで、それはそれは楽しい日々でした。
その思い出をフラッシュバックさせて下さる奥深い個人サイトの世界
当時のネットへの愛情を感じる記事でした。
素敵な時間をありがとうございました。
不肖ながら私も2001年より個人サイトを維持しております
宜しければチラっと見てやってくださいませ
インターネット黎明期の雰囲気が味わえるかも知れません(笑)
http://kawaiworld.com/