最近のGoogle検索、ひどくないですか?

調べものをしても、上のほうに出てくるサイトは役に立たない。

  1. 当たり障りのない薄い内容
  2. ほかのサイトをコピペしただけのページ
  3. 「いかがでしたでしょうか?」(←死ね)

このザマである。

おもわず「オーケーグーグル、この検索結果処分して?」なんてことをいいたくなる。

私が見たいのは、個人がやってるブログやサイトです。

デザインがダサくても、綺麗な画像がなくてもいいから、気持ちのこもったサイトが見たい。

個人ブログ・個人サイトの「管理人が楽しんでやってる感」にものすごく惹かれる

たとえば、このサイトを見てほしい↓
『ゴム製水枕博物館』のホームページ
ひらすら「ゴム製の水枕」を紹介していくサイトである。
(「水枕」とはこれのこと)

正直、「え? 水枕?(笑)」って感じなんだけど、このサイトをよく見てみると考えが変わる。

『病んでないときも病みつきになるほどの心地よさの水枕。』
『氷が水の中で「チャポン、コロン」と踊ります。氷が融けるときは「ぴしん、ぴしん」と水琴のように氷が鳴きます。』

なんだこの悪魔のセールコピーは!!

水枕がほしくてたまらなくなってきたじゃないか!

 

そして熱量がすごい。

さまざまな水枕を紹介していて、さまざまな医療機関に資料を提供してもらうほどの熱の入りようである。

こんなの現代の検索上位サイトでは絶対に見ることのできない光景だ。

しかも台湾や韓国の製品まで取り寄せているのがすごい。

「イタリア」を「イタリ」と表記してるとこに時代が現れていて、また良い。

 

追記
今amazonで水枕のページ見てたら、上のサイトの管理人であろう人見つけた!!!
水枕博物館」←ユーザー名がそのまんまで、水枕のレビューしてた!
今でも水枕マニアらしくて、うれしくなった。

今ネット上に溢れているブログは、金儲けのことしか考えてない

次に見てほしいのはこれ↓
戦国時代の勢力図
戦国時代以前から慶長20年(1615年)まで、勢力の動きを事細かに調べ上げて地図化しています。

上の画像にいろんな年代の地図がちいさく載ってるけど、これ、画像を開いたらもっとすごい。

細かい字でビッチリ説明が書いてある。

 

これを作った人は、完全に趣味でやってます。

本人には1円も入ってきません。

どれほどの情熱、さらには「好き!」という気持ちがあればここまでのものが作れるんだろう。

私には、この人みたいに熱中できるものがないからすごくうらやましく感じる。

個人サイトやってる人って、みんな「好き」の気持ちが強いんだよね。

ほんと人生楽しんでる。

『暗黒観光情報』のホームページ

これとか心から楽しんでやってるのが伝わってくる。

実際「ああおもしれ〜。ホントにおもしれ〜。なんて面白さだこんちくしょう!」って書いてあるし(笑)

管理人とユーザーの交流にほっこり

この前、ネットで古本を買ったら、表紙の裏に封筒が入っていました。

名前や内容は変えてあるけど、再現するとこんな感じ↓

すのうまん博士様

2003,11,15

こんにちは。
すっかり寒くなってきましたね。お互い身体に年季が入って大変ですが、風邪をひかぬよう気をつけましょう。
この前書店をブラブラしていると、博士が好きそうな本を見つけました。
分野外とはいえ、博士の幅広い知識があれば楽しめるのではないかと思います。
冬越えの間、よかったら読んでみてください。
ではまた。

「ビリビリマン」こと松浦圭一

最初は「おいおい、もらった本を売ってんじゃねえよ」とか思ってました。

でもよく見ると「すのうまん博士」とか「ビリビリマン」とか意味不明な名前があり、「もしかして?」と思い検索してみました。

やっぱりあった、個人サイト。

 

で、この「すのうまん博士」というのがとんでもないマニアックなサイトを運営しているんだ。

私にはよくわからないんだけど、割れたガラスの破片を収集していたり古い看板の写真を撮ったりしているマニアっぽい。

そんなマニアックな内容なのに、サイト内の掲示板は大盛り上がり。

過去にやったオフ会の写真までアップされていた。

ビックリしたのが日本人だけじゃなく、外国人までオフ会に参加している点です。

服装なんかも、みんなシャツをズボンにインしていて時代を感じる。

 

「シャツイン」なんて聞くとオタクっぽい?

いやいやちがうんだよ。

昔のインターネットって、頭の良い人しかできなかったからみんな育ちが良さそうな見た目をしている。

みんな爽やかな顔してニッコリ写ってる。

うぅ〜〜〜萌える〜〜〜〜〜!!

みんな楽しそうだ〜〜〜〜〜〜〜!!

 

私はこういうのがうらやましくてたまらない。

同じ「好きなもの」を持つ仲間で集まってオフ会するなんて、どんなに楽しいだろう。

さっきの手紙も、本名や住所を普通に公開してプレゼントのやりとりだってしてる。

今のネットリテラシーじゃ、こんなことできないよ。

「ああ……自分もこの時代に生まれていたらどれほど楽しかっただろう」

そう思わずにはいられないのです。

geocitiesの思い出

geocitiesといったら、個人ホームページ!

たとえばこんなの↓
geocitiesで作られたホームページ

もうこの画面見るだけですごいっしょ。

  • アクセスカウンター
  • キリ番・踏み逃げ厳禁
  • イラストコーナー
  • (工事中)
  • カキコ
  • 掲示板(BBS)
  • リンク集
  • 「Japanese only」

懐かしくて泣けてくるね。

これ画像じゃ伝わんないけど、実際には文字がピカピカ点滅してたり文字が右から左に流れてたりしてる。

昔はTwitterとかなかったから、個人でこういうのを作ってたんだよ。

過去のサイトが消えるのは社会的損失

自作手裏剣の販売サイト
このサイトもすごいんだよ。
「十手」や「手裏剣」なんかの道具を自作・販売している人のサイトです。

英語でも説明書きがあったから、もしかしたら海外からも忍者グッズの注文があったのかもしれません。

でもこういう貴重なサイトがどんどん失われてる。

何でこんなこと書いてあるかといえば、ここで紹介してきたサイトは全部消されてしまったからです。

ネットの移り変わりを知る貴重な資料として、これらは保存されるべきではなかったのか?

昨日(2019年3月31日)、geocitiesで運営されているサイトはYahoo!によってすべて削除されました。

愛と情熱と思い出が詰まってるサイトがもうなくなってしまった。

 

でもさ、やろうと思えば消されずに済んだんだよな。

私はブログをやるためにレンタルサーバー借りてるけど、1ヶ月に約1000円しかかからない。

1000円払うだけで容量200GBも使えるからな。

そんな安いんだから、国がサーバー代ぐらい払えよ。

ネット黎明期の作品だって立派な歴史的建造物だろ。

そうやってネットを軽視してるから、日本からGoogleやAmazonが生まれないんだよな。

 

私はgeocitiesが消されることに昨日気づいたので、丸一日使ってサイトを保存しまくりました。

それでも全然ダメだった。

たとえば、これとか絶対に消えちゃいけない資料じゃん。

『被爆者の声』のホームページ
原爆で被爆した人・284人が、どんな想いで当時のつらい気持ちや出来事を語っただろう。

使命感ほかならないだろ。

「凄惨な事件をくりかえしてはいけない」とか「自分たちのような想いをしてほしいくないから」とか、そんな気持ちをなぜ理解しないのか。

勇気と涙の結晶を消すんじゃねえよ。

戦時中の雑誌

このサイトは漫画の歴史を研究していました。

画像見ればわかるけど、戦時中の資料まであるんだよ。

しかもこのサイトはずーーーーっと続いてて、戦時中から2019年までずっと漫画の歴史が書かれてる。

なのにもう見れませんからね。

 

国は漫画やアニメでクールジャパンとかやってるが、どうせお金のことしか見えてないんだろう。

だから新しいのを量産して、過去の作品はどうでもいい。

 

漫画『ブラック・ジャック』で、ブラックジャックが大切な島をめちゃくちゃにされたとき、
「死ね! この空と海と大自然の美しさのわからんやつは生きる価値などない!!」
ってブチ切れてたけど、その気持ちわかるわ。

ブラックジャック「この空と海と大自然の美しさのわからんやつは生きる価値などない!!」

「死ね! この愛と情熱と時代の移り変わりの美しさのわからんやつはクールジャパンを名乗る資格などない!!」

インターネット上のコンテンツの寿命は3年。12年経つと9割が消える

日本のいろんな大学がウェブページの寿命について論文を出しています。

本調査では,収集から12年を経過したウェブページ群の生存分析と,Internet Archive を用いた寿命の調査を行った。
その結果,2001 年に収集されたウェブページの 9 割以上が消失していることがわかり,またウェブページの平均寿命は,1,108.2 日であった。

あなたの大好きなサイトも、いつか消えてしまうかもしれません。

だってgeocitiesも、当時はものすごい人気だったんだよ。

それでも20年経ったら全部消えちゃう。

Twitterとかインスタグラムとかブログとか、今は大人気だけどいつ消えるかわかんない。

だから大事なものは絶対に保存しておいてください。

ネットのコンテンツはデータが消えたら二度と手に入らないから、人間の命を同じ。

大好きな人に会えなくなったら本当に悲しいよ。

 

昨日の日付が変わった瞬間、私はとてつもない喪失感を味わったから自信を持って言える。

「運営を信じるな。自分で保存しとけ」

追記
おすすめの個人ブログとかあれば教えてください!