こんなデータを見つけました。
統合失調症はもっとも代表的な、ありふれた脳の病気のひとつです。
人種、民族、地域を越え、その生涯有病率は0.6~1.9%と言われます。
近年ではこの疾患の入院患者は減少傾向にあるとはいえ日本でも数十万人いて、病床占有率は最高です。
思春期以降に、ありもしない悪口が聞こえてくる、支離滅裂な話をするといった症状からこの病気が発見されます。
患者の就業率は15%程度で、外来治療を受けている患者でもほとんどが無職であり、社会的な問題となっています。
引用(http://www.bioportal.jp/ja/Column/2009/02/post_47.html)
なんと統合失調症患者の就業率は15%だというのです。
就業率が15%ということは統合失調症で無職の割合は85%にもなります。
なぜ統合失調症患者は働けないのか考えてみた
そもそもなぜ統合失調症で働いている人が15%しかいないのか考えてみました。
陽性症状
陽性症状による幻覚や被害妄想。これがあると仕事どころではないですよね。
発作が起こると仕事に手が付かないし周りにも迷惑が掛かるのでクビになってしまう可能性もあります。
しかし、統合失調症の陽性症状は比較的薬で落ち着くのでそこまで働くことの障害にはならないのではと思います。
陰性症状
うつ病のように体が動かなくなる陰性症状。これは仕事をする上でかなりの障害になると思います。
そもそもベッドから起きられないし仕事どころではないです。
個人的にですが陰性症状って薬を飲んでも効き目が薄いような気がします。
なので陰性症状に悩んでいる統合失調症患者の方は多いんじゃないかと思います。
認知機能障害
頭が働かなくなり集中力が衰える認知機能障害。これも陰性症状と並んで仕事ができない大きな理由なのではないでしょうか。
仕事をする上で周りの人と会話をしたり文字を読んだりということは必須です。
しかし認知機能障害があるとそれらが困難になるため仕事に支障があります。
統合失調症の人が仕事でミスが多いというのはこの障害が原因です。
オープン就労
ここからは統合失調症の就職について考えます。
オープン就労(病気を明かして就職活動すること)だと統合失調症だということを就職先に伝えなければなりません。
世間の統合失調症のイメージはめちゃくちゃ悪いです。はっきり言ってオープンで雇ってくれる会社はほぼ無いと思います。
周りに迷惑を掛ける可能性がある上、途中で会社を辞めることも多いので会社としても取りたがらないです。
治療していた間の空白期間
逆に病気ということを隠して就職活動をするクローズ就労をしたとしても、たいていの統合失調症患者には治療していた間の空白期間があると思います。
就職活動において空白期間というのはネックになります。
統合失調症患者が生活するには
就職や労働が困難な統合失調症患者。ではどうやって生活すればいいのか考えてみた。
障害年金
障害年金は働けない人の救世主。しかも統合失調症患者は障害年金をもらえる対象となっています。
条件としては
- 初診日から1年6ヶ月が経っていること
- 初診日に年金を払っていたこと
これがクリアできていれば障害年金が月に6万5千円、もしくは12万円がもらえます(基礎年金か厚生年金かによって給付額が変わります)。
障害年金が貰えれば一気に生活が楽になりますよね。
というか贅沢をしなければ働かなくても暮らしていけます。
欲しいですよねぇ。
家族の助け
これは働けないので家族に養ってもらうという考えです。
両親や結婚相手などの収入で暮らしていきます。
あまり世話にはなりたくありませんが働けないのでは仕方ありません。
統合失調症でもできる仕事を考える
まず、統合失調症に接客業は無理です。
これは心療内科の先生に言われたことなんですが、もし接客ができるようならその人は統合失調症じゃないらしいです。
上で少し書きましたが、認知機能障害がある人は頭を使う業種は無理だと思います。
なのでライン工や警備員なんかがいいのではないかと思います。
統合失調症の就職支援を利用する
就労移行支援事業というものがあるらしいです。
これは職業訓練所のようなもので、無料で受けられます。
症状がある程度緩和されて外に出られるようになった方向けですがこれを活用しない手はないと思います。
ハローワークなどが窓口となっていますので応募してみてはいかがでしょうか。
改正された障害者雇用促進法に賭ける
平成28年4月から障害者雇用促進法が新しくなり、精神障害者も障害者枠として採用され、しかも採用枠が大きくなりました。
これにより統合失調症患者でも障害者枠として就職ができるようになりました。
これを利用しない手はありません。
デメリットとして、収入が少ないという面があります。
障害者枠で就職した場合、週に数日であったり午前中だけしか働かせてもらえず結果として少ししか給料がもらえなかったという話を聞いたことがあります。
障害者の差別をなくすためにこの法律がしっかり守られるようになって欲しいです。
在宅ワークをしてみる
「クラウドソーシング」というものをご存知ですか?
これは企業がインターネットを通じて個人に仕事を委託するもので、スキマ時間にお金を稼ぐことができることから主婦の方に人気のお仕事です。
クラウドソーシングに資格やスキルは必要ありません。
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↑こちらから現在求められている仕事をチェックすることができるのですが、「生活の悩み」や「病気をしたときの体験談」など、誰にでも書けるような文章を投稿するだけでいいのです。
クラウドソーシングの体験談
実は私もこれでお金を稼いでいたことがあります。
私のやった仕事は「単語の仲間はずれ探し」という、半分クイズ遊びみたいなものでした。
例えば「『犬・猫・ラーメン・カラス』この中にある仲間はずれを選んでください」という問題に『ラーメン』を選んでクリックするだけです。
「なんでこんなのでお金がもらえるの!?」と思うかもしれないですが、これは検索サイトのYahooからの依頼で、「検索結果の精度を上げるための大切な作業」とのことでした。
- 職歴が付き、空白期間を無くすことができる
1番2番は説明不要だと思います。
そして3番が個人的に1番のメリットです。
先ほど、私はyahooからの仕事をやっていたと書きましたが、これをやれば「yahooで働いていました」って言えるんじゃね? というセコい気持ちで始めたんですよ。
yahooで働いていたというのは言い過ぎだとしても、「IT関係の仕事でお手伝いをしていました」というのは事実です。
なので病気が治った後の就職活動でもクラウドソーシングの経験があれば、闘病生活中の空白期間を消すことができるわけです!
登録は無料ですので、社会復帰の第一歩として会員登録してみてはいかがでしょうか?
公式サイト
日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」
おわりに
統合失調症でも働いている15%の人たちは本当にすごいと思います。
もし今仕事をしている人で統合失調症だから仕事を辞めたいという人がいたら辞めずに続けてください。
統合失調症の仕事復帰というのはすごく大変です。あなたは恵まれています。
ほぼ全部読みました。
文字数も少なく、
引用もピンポイントで短く、
体験も感覚も自分の言葉で書かれているので大変読み易く、
身近に統合失調症がいる身にとって
とても参考になりました。
コメントありがとうございます。
「読みやすい」と言っていただいてとてもうれしいです。
私は頭が悪いのであまり褒めてもらったことがなく、頂いたコメントを読んで涙が出そうになりました。
匿名さんのお役に立ててよかったです。
私は統合失調症歴約20年の40歳男です。
就労15%というのは、少し低いかも。
2~3割以上は就労できている感じがします。
私は今、契約社員ですが、フルタイムで週40時間働いています。
仕事は事務職でイレギュラーなことも
多いストレスの多い部署にいます。
健常者の妻と息子が1人います。
本人の強い意志と家族の支えがあれば、
なんとかなるのではないでしょうか。
パントさんコメントありがとうございます。
統合失調症ながらもフルタイムで働いているとのことで、少しビックリしてしまいました。
そして立派だなぁと感じます。
統合失調症でありながら一生懸命働くというのは普通の人より何倍も努力されているのだと思います。
私もパントさんのような方になりたいです。
統合失調症歴22年の女性です。
働いていていない時期はちらほらしか無かったですよ。
わたしは、会社で発病し、薬は飲みつつ病気の自覚がなかったので病気だから休めといってくれる会社をやめ次の会社も正社員で移ってバリバリ働いていました。
ここ4年ぐらい前に陰性になっていきなり動けなくなったので、仕事をやめ、年金の手続きして少し休んでからa型作業所に。ここ半年はでクローズで7時間の仕事を週に4日しています。
働いていているという言葉の免罪符は限りないので。笑
花さんコメントありがとうございます。
統合失調症になって言い訳してラクなほうに流れたりせず、働くことを前提に行動していてすごいです。
花さんはだれよりも頑張っていると思います。
無気力で人生諦めモードの私にも花さんのパワーが伝わってきて、やる気が出ました。
たしかに「働いている」と「働いていない」でも免罪符の差は計り知れないですね。
今年のお正月、無職の私は親戚から逃れようとビクビクしてすごく疲れてしまいました。
「働いていないことの負い目」「世間の目」は余計に心を病みそうです。
私も前向きに頑張らなきゃいけませんね!
統合失調症なのですが、働いていないこと将来の不安で
色々検索していたらここにたどり着きました
自分は統合失調症で、ずっと引きこもっていたのですが
統合失調症の地獄のほうが社会の怖さを上回ってしまい
まず親に頼んでコネでバイトに踏み出しました。
思考伝播といって頭の筒抜け感が、どんな薬を飲んでも消えないので常に思い浮かべることに気を使うのと、
陰性症状もあり、指示の意味が理解できず、早く覚えろ!!と死ぬほど怒鳴られたり、トラウマになりました
バイトを続けたことで、意味不明な妄想に振り回されることはほぼなくなり
昔関わってた友達とまた関われるようになったり人間らしい生活を送れるようになりましたが、
仕事は本当にきついんです。掃除、ピッキング新聞配達、チラシ配り、市場でバイトをやめたら統失の地獄に戻ってしまうという恐怖で
継続的にバイトをしましたが、本当につらくて現状では無理でした
チラシ配りは楽でした新聞配達も人と関わる時間があまりないのでそこそこ長続きしました
今はメンクリに通いながら休んでいる状態です
資格の勉強とかしています
少しづつ良くなってる実感があるのですが思考伝播感があるうえで仕事するのはまだきついです・・・人並みになりたいです
やまださん、ブログを読んでいただいたうえにコメントしていただき、ありがとうございます。
>早く覚えろ!!と死ぬほど怒鳴られたり、トラウマになりました
うわああああ! わかります!
怒鳴られる恐怖ってハンパないですよね。
私は子どものころから不器用なうえ、オドオド・ビクビク行動しています。
だから、目上の人に「おまえを見てるとイライラするんだよ!!」みたいに怒鳴られることがありました。(学校・バイトなどで)
そんな経験があるから、がんばって挑戦したとしても絶対に相手をイライラさせてしまうと予想できてしまいます。
「なんで自分はこんなに不器用なんだ・・・」と絶望しかありません。
怒られるのが怖くて挑戦できねえ・・・。
>昔関わってた友達とまた関われるようになったり人間らしい生活を送れるようになりました
これめっちゃうらやましいです。
もう私は人生あきらめてるので、結婚とか高収入とかはどうでもいい。
だけど「学生時代の友だちに堂々と会って、楽しく会話したい」っていうのがあります。
これを叶えるために月10万ぐらいは稼ぎたいな〜と思うのですがしんどいですね。
障害年金も落ちましたし、人生に疲れてしまいました。
それにしても、やまださんのファイト精神すごいです。
私はなまけた生活をしているので、喝を入れてもらった気分です。
僕は発病歴24年になります。僕も発病して以来、仕事もお金もさらに友人まで何もかも失いました。しかし僕は思いました。失ったものは再び取り戻せば良いと。僕は発病20年以上になります。その間アルバイトも結構色々としました。まあ中には僕が精神障碍者ということでクビにした職場もあれば、パワハラが原因で退職した仕事もありました。日本郵政公社(当時 現、日本郵政株式会社)のバイトはは良心的でしたが、人件費が払えなくなって解雇されました。それから11年後の一昨年、働かせて欲しいと言った今の職場がたまたまある就労移行支援事業所と知り合いで、そちらに半年ほど通所後に今の広告会社にアルバイト就業をしました。今は、そちらで原付バイクに一日中乗車してチラシを配布するポスティングという仕事を行っています。来年の3月で4年目に突入する所です。勤務は短時間で終わることもありますが、原則1日8時間、週5日働いています。こんな僕の様に20年以上通院していても働けるのですよ。皆様、病気だからと言ってはなっから諦めるのは絶対に早過ぎると言う気がします。決して最初から諦めないでください。ピンチというものは裏を返せばチャンスなのですから。又先日、先ほどの支援事業所の利用者OB会に出席したら、OBの人にもよりましたが中には某市役所に勤めながら婚約者が出来たと言った女性OB利用者の方もいました。疾患患者でも一般の方の様に働ければ結婚も出来ると言った事実だ存在します。正直言って僕も今、通院している病院で知り合った別の女性患者の方ですが、恋愛を彼女にしました。今年の8月に彼女と人生初の映画デートも経験しました。人にもよりますが精神疾患、障害者と言ったコンプレックスは捨て去って、難しいと思いますが心をオープンにして社会に胸を張って立ち向かっていくのが大切な感じがします。挑戦と言うことはしても可能性は低いかもしれませんが、しなければ可能性はゼロです。僕は僅かでも可能性があるのとないのは桁外れに違う気がいたします。この文章を目を通されて力になる方が一人でもいて下されば幸いです。長々とコメントしてしまい申し訳ありませんでした。それでは失礼致します。ありがとうございました。
統合失調症歴34年の54歳男性です。
クローズで某電気メーカに作業員から始めて、営業職になりましたが、薬を飲んでいれば夜勤や徹夜が可能です。離婚しましたが、結婚もしたし、彼女もいました。病状は個人差がありますので、一概に統合失調症だからと言って悲観することはありません。自分に合った薬が見つかるとバリバリ働けます。
レノンさんへ。54歳、発病歴34年ですか・・・。上には上がある訳ですね。恋人がいたり結婚歴もおありですか・・・。僕も今年の夏のデートの相手女性との現状は・・・彼女の母親が僕を拒んでいるいる状況です。残念ながら彼女と僕とは年齢差が何と26歳もあるので、殆ど親子に近いし。しかも発病歴24年ですから拒まれてしまうのは常識と言えば常識ですよね。でも最近僕は今まで結婚なんて考えたことはなかったのに今、必ず結婚するという意欲も湧いてきました。仕事も彼女は無職ですが僕にはアルバイトとは言え職はあるし、彼女は、残念ながら自動車はおろか原付免許も取得できない状況ですが、僕はペーパードライバーとは言え原付のみ運転できる免許証を所持しています。どちらかと言えば彼女より僕の方が余程か幸せだと思います。だけど薬を飲めば夜勤や徹夜は可能とは言え、ちょっとそれは・・・・体に毒だと思います。僕も仕事を始める前はダラダラ無精な生活をしていましたが、仕事のお陰でリズムを整えた生活をしています。夜は平均21時台に寝て朝は4時台に起きて1日の活動をしている生活スタイルを実行しています。レノンさん、生活の為とは言え無茶苦茶なスタイルの生活は禁物のような気がしますよ。健康第一でお互い仕事に、恋に頑張りましょう。今年引退したとある大相撲力士も「力士は怪我とも付き合いだ。」とコメントしていました様に我々も病気とも上手にお付き合いです。そう思いませんか?またもや長々とコメントして失礼しました。ありがとうございます。