底辺高校の球技大会
私の通う底辺高校では年に3回球技大会があった。
なんでそれ選んじゃったのかな~と思うのだが男子の種目はラグビーである。
不良生徒たちにラグビーのようなスポーツをさせるなぞ明らかに悪意がある。
私がまだ1年生で初めての球技大会が近くなった頃のこと。
まずは選手登録をする。
だが隔離教室の生徒はみんなめんどくさがり屋なのだ。
前半組と後半組を選び出すだけなのですが、ほとんどの生徒がスルーしているのである。
ぶっちゃけ私は球技大会、楽しみであった
なので前半組で出ようかな~と思っていると
「けーちゃん(私のニックネーム)は後半だよね。一緒にサボろうや」
とクラスの特にヤベー友達たちから勧誘を受けてしまい、後半組に入ることになってしまったのだ。
ヤベー友達「おい! 前半の奴らはとにかく点取っとけよ!! 俺たちがサボってても勝てるようにしろ!」
球技大会当日
球技大会当日、前半組が結構頑張ってる。
接戦、というかむしろ競り勝ってるっぽい。脅されているからか頑張ってるな。
そして後半組のヤベー奴らに交代。
後半組がフィールドに入ってプレイ再開! やる気がない連中だからボロ負けか、と思いきやなんか勝ってる?
よく考えてみると後半組のヤベー連中には各部活でエース級の部員がゴロゴロいてポテンシャルはかなり高い。
終わってみれば圧勝でその後も快進撃を続け、優勝してしまったのである。
毎日泥だらけ
そうなると現金なもので自分たちが強いとわかった途端、みんなラグビーが大好きになるのだ。
それからは球技大会が近くなると放課後、学校の近くにある自由に使っていいグラウンドにみんなで集まって猛特訓をするようになった。
そこには柔道部の後輩であるカーターとエヴァンも参加していたのである。
彼らは私から隔離教室での話を毎日聞いていたため私たちのクラスについて異常なほどに博識になっていた。
そして最終的に隔離教室まで遊びに来るようになり、クラスの一員のようになっていたのである。
関連記事:「騙されて入部した柔道部が不良のたまり場だった話」
球技大会で乱闘騒ぎ
もともと強い奴らがさらに特訓なんかするもんだから、その後の球技大会でも優勝続きとなるわけなのだ。
そうなるとみんな調子に乗っちゃうのが私たちである。
試合でボコボコにしておきながらさらに煽りまくる。
「なんじゃこいつら、ゴミ以下か?」
「ボール渡したれや、ハンデやらんと話にならんわ」
「はァ? カスの触ったボールなんぞ触りたくないわ」
もう酷い言いようである。
もともと荒れているので悪口はスラスラ出てくるのだ。
そうなると面白くないのは他のクラスである。
もとより問題児を集めた隔離教室。
このクラスの存在は異分子とされていて、ごく少数ですが隔離教室の生徒を目の敵にしている生徒もいたのだ。
(実際、私たちが試合中のときはグラウンド外からのヤジがすごかったです)
そんな風に見ていたのに球技大会ではめちゃくちゃ強い。
その上ここまでバカにされてはさすがにキレる。
ぶつかり合いのスポーツであるラグビーなのでそれに紛れて手を出してくる生徒が続出したのである。
だがしかし、そんなことをしたら非情にマズイのだ。
他のクラスの生徒は球技大会ってことでテンションが上がって手を出しちゃってるが、そもそも私たち隔離教室の生徒ってマジでヤベー奴らの集まりなのである。
そんな奴らに喧嘩売ったらとんでもないことになのだがテンションが上がっている上に挑発されて頭に血が登ってる彼らにはそんなこと頭に無いようだ。
結果から言うと相手クラスがボッコボコに張っ倒されて終わったのである。
お恥ずかしい話ですが私も当時は血気盛んでしたので食って掛かってくる奴らは柔道の足技ですっ転ばして遊んでました。
で、実はこのラグビーブームは高校卒業後も続くのだ。
でもそれはほかの記事で。
底辺高校の運動会
球技大会では負け無しの隔離教室組! 運動会でも優勝か!?
と聞かれると、そうはいかないのである。
それはなぜか。
私たちがバカだからだ。
運動会でも笑いが欲しい!
隔離教室の生徒ってみんな人を笑わせるのが好きなのだ。
普段から虎視眈々と爆笑を狙ってるのである。
そして運動会はクラス対抗の球技大会とは違い全校生徒が集まる。先生たちも集まる。
みんな血が騒いじゃうんですよ。
例えば障害物競争。
これはかなり配点の高い競技だったのですが、誰ひとりとして真面目に走らない。
障害物を使って「モノボケ」を連発するのだ。
これのせいでどんどん抜かされてビリであった。
ですがこれに関しては悪く言えないんですよね。
私の場合は筋肉ムキムキに見えるボディーペイントをして来賓席の前で友達と一緒にハンドスプリングや側転などを半裸で披露してました。
(後から先生に聞いた話ではこれが意外と好評だった)
底辺高校の遠足
私たちのクラスは遠足で工場見学に連れて行かれました。
ほかのクラスは動物園なのに。
底辺高校の修学旅行
普通、高校の修学旅行といえば沖縄や九州、北海道など。
私たちの場合は海外であった。
そしてよくわからん田舎の村みたいなところへ連れて行かれ、
井戸掘りの講習を受けさせられた。
修学旅行のしおりには「ボランティア活動(井戸掘り体験)」などと書かれていたが、業者が井戸を掘るのをちょっと見学するだけだと思っていた。
だが、何故か現地の人が謎の器具を私に手渡そうとしてきたのである。
私「ヘイ、ブラザー! それは何の冗談だい?
そんな物騒なものは降ろしてくれよ!」
現地の人「・・・・・」



おい、兄弟! 黙らないでくれ!
お前が黙ってしまったら私の未来が確定してしまうだろ!!
井戸ってブルドーザーみたいなので掘るんじゃなくて?
え!! 手作業で井戸を!?



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底辺高校のマラソン大会
四季高校のマラソン大会は森の中で行われる。
木々に囲まれた山をチェックポイントまで行き、戻ってくるという感じ。
ちょっと変わったイベントらしく、毎年マラソン大会には地元のテレビ局がわざわざ取材に来てくれるのだ。
となると血が騒ぐのが隔離教室のみなさん。
みんなカメラに写りたい、部外者のテレビ局の方から笑いを取りたい、というように暴れまくりなのだ。
そこは私も同感で走る前にも関わらずクタクタになるまでふざけまくりました。
そしてもう1つ厄介なものがありまして……
それは「川」です。
森の中を走るもんだから綺麗な川が流れているわけだ。
バカは水が好きなのである。
- 川に飛び込む
- 通りかかった生徒を川に突き落とす
- 水を掛ける
冬なのに
こんなことすると寒い思いをするので後悔するのですが結局毎年やっちゃいました。
次回予告
「世界を救うため、それでも私は剣を握る」
普通の高校生だった私の元に名も知らぬ少女がやってきた。
「松浦圭一さん、世界を救えるのはあなたしかいないんです」
この一言が平凡だった私の日常を一変させたのだ。
多くの人々の望みや願い、そしてこれからの未来を背負った私は決意を胸に悪を討つ。
次回、底辺高校の日常
第6話「不良がお菓子パーティーしたりアニメ観たりする話」