さっき「焼肉は韓国料理なのかどうか」みたいな議論がネットで起こってました。
「焼肉は肉を焼いただけだから韓国料理とは呼ばない」←議論の抽象度が合っていない
議論を見ていて多かった意見が
「肉を焼いただけの料理なんて世界中にあるのだから、韓国が起源を主張するのはおかしい」
というものです。
いいたいことはわかるんだけど、私からすれば論点がズレていると思う。
だってその論法でいうなら、日本料理である「焼き鳥」も肉を焼いただけなので日本料理と呼べなくなるし、
「お刺身」も魚を生で食べているだけなので他の国にもありそうである。
こんなことをいってると、「論点をズラすな! 今は韓国の話をしてるんだろうが!」などと怒られそうだが、それと同じことが起きているのである。
議論するべき対象は、「ビビンバや冷麺が置いてある『焼肉料理店』は韓国料理店なのかどうか」であるのにもかかわらず、
議論の方向が「肉を焼くのは韓国が起源がどうか」へと流れてしまっている。
これでは一向に話は進まないのだ。
議論を発展させるコツは抽象度を合わせること
ネットをやっていると抽象度のレベルが噛み合っていないため話が進まないのをよく目にする。
たとえばこんなの
- ゲームソフトの感想を話す場で、任天堂信者とSONY信者がケンカし始める
- amazonの商品レビュー欄で「配送が遅かったので★1です」などと書き込むヤツ
- 「多摩川に現れたアゴヒゲアザラシの『タマちゃん』を住民登録しろ」などとアホ抜かす連中
amazonのレビュー欄で的外れなこと書いてるのはあなたも見たことがあるだろう。
解説するまでもないが念のために説明しておくと、
2→配送業者への不満は商品とは関係ないのでレビュー欄に書き込むべきではない
3→アゴヒゲアザラシは人間ではないので住民登録するのは不可である。
こんな低レベルなことも理解できないバカが大勢いるんだよ。
もう一度いう。
アゴヒゲアザラシのタマちゃんは人間ではない。
タマちゃんを住民登録させようと署名を集めるのはやめろ。
アザラシを住民登録しようだのというバカは放っといて、どうすれば抽象度のレベルを理解し思考できるようになるかという話をしよう。
私がいちばん効果を感じたのはこちら。
『入門考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法』に紹介されている「1日1回ピラミッド」というトレーニングである。
これはネットのニュースを論理的に整理してみるというだけのトレーニング方法なんだけど、値千金の価値がある。
さきほどのアゴヒゲアザラシのタマちゃんの例を見ても「抽象度」の概念がわからんオッチョコチョイさんがいるかもしれないが、この方法を試せば必ず成長できる。
ネット上でのレスバトルに勝ちたい者にとっては必読の書だ。
「読めばTwitterや2ちゃんねるのケンカで揚げ足を取られることがなくなる」と断言できる。
ただし念のためにいっておこう。
この本にあるノウハウを使ってアゴヒゲアザラシのタマちゃんを住民登録させようとするのは絶対にやめろ。